平野の伝承とくらし第14回(41 瑠璃光山・医王寺 及び 貴船神社)

「平野の伝承とくらし」冊子 41 瑠璃光山・医王寺 (P39-40)

41 瑠璃光山・医王寺

 ① 平野字寺前
 ③ 古山 巌
 ④ 瑠璃光山医王寺(医王寺発行)
 この寺は大鳥城主佐藤基治一族の書提寺(代々先祖の墓がある寺)として、また基治・乙和・継信・忠信ら佐藤―族の墓があることで名高い寺です。さらにこの寺には県指定重要文化財の「石造供養石塔群」や「鍍金装笈(弁慶が背負っていた道具を入れる箱)、市天然記念物の「シラカシ」「ハリモミ(虎の尾の松)」などがあり、また「奥の細道」では芭蕉が立ち寄り、一句残したところでもあります。そのほか「奥の院薬師堂」「宝物殿」「若桜・楓の像」「乙和の椿」「芭蕉の句碑」「弘法大師像」「鐘楼堂」「南殿の桜」など観るべきものは多くあり、いつも観光客が途絶えることはありません。
 場所は平野字寺前(元佐場野)にあり、ます。福島交通電鉄の医王寺駅前から西北の道(元参道)を4~ 500mも進みますと、大木鬱そうした森があります。そこが医王寺です。駐車場は手前200mくらいの所と、入り口の左側にあります。
 元下馬札のあった入り口を過ぎると、貴船神社の前にでます。左手西側に古式ゆかしい山門があります。ここを過ぎて真っ直ぐ行けば、「奥の院薬師堂」「佐藤継信・忠信の墓」「石造供養石塔群」「乙和の椿」などがあり、すぐ右の内門を<ぐれば医王寺です。
 本堂は銅板葺きで方桁造の小棟に光るのは佐藤氏の表紋である源氏車の毬です。周囲の大木、苔むした大石など対照して、神々しい霊気が身にしみ、何百年かの音が偲ばれます。

〈医王寺の歴史〉
○ 第53代淳和天皇(823~ 833)の時代、天長3年(826年)弘法大師が薬師如来像を安置して
 草庵を建てたことに始まると伝えられています。この御作を本尊としています。
○ 平安時代末、信夫庄司佐藤基治一族の菩提寺とされ、奥の院薬師堂を建て、弘法大師御作
 薬師仏の尊像と、玄心僧都の献上した薬師仏の尊像とを併安しました。当時の医王寺には、
 本堂・庫裏・弁財天堂・太子堂・経蔵・鐘楼などがありました。
 文治5年(1189年〉大鳥城落城により′、衰えて勢いが弱くなったと言われています。
○ 元禄2年〈1689年〉松尾芭蕉が門人曾良とともに『奥の細道』紀行途中、医王寺を訪れ
 一句残しました。
○ 明治37年〈1904年〉奥の院薬師堂が火災にあい、壮麗な御堂が焼失しました。大正4年
〈1915年〉12月に、竜和和尚が大勧進となり、奥の院薬師堂を再建しました。
○ 昭和28年〈1953年〉10月1日什物「鍍金装笈(弁慶の笈と言われているもの)」が県指定
 重要文化財になりました。昭和41年(1966)2月7日「医王寺のシラカシ」が福島市天然
 記念物に指定されました。
  昭和58年(1983)3月1日「医王寺の石造供養石塔群」が福島市指定有形文化財に、
 さらに昭和61年(1986)3月31日11は県指定重要文化財になりました。
  平成15年(2003)10月8日「鞍(佐藤継信の追善のために義経が奉納したと言われるもの)
 及び極書・添え状」が福島市指定有形文化財になりました。

医王寺のハリモミ(元 市・天然記念物 ※現在は指定解除)
 ① 寺前 医王寺
 ④ 福島市文化財資料
 医王寺のハリモミは、昔から源義経のお手植えによる「虎の尾松」として伝えられてきました。ふさふさとして虎の尾のような枝先からその名がついたのでしょう。別名を「バラモミ」と言い、福島県以南・四国。九州の山地に自生する針葉樹です。
 医王寺のハリモミが植栽とはいえ、巨木として現存することは、植物分布の上からも貴重です。樹齢300年と推定されており、寛永年間の医王寺再興のおり、ご神本として植栽されたものだろうといわれています。樹高は23メートル、明治35年(1902)の落雷で主幹が切断され、樹姿に本来の美しさを観ることができないのは残念です。

医王寺のシラカシ(市・天然記念物)
 ① 寺前 医王寺
 ④ 福島市文化財資料
 医王寺山門の右内側にある名本シラカシの推定樹齢は、300年とみられることから同寺境内のハリモミとともに、寛永年間の本寺再興当時の植栽とみられています。昭和35年、積雪のため東に延びた枝を失い、樹姿に均衡を欠きましたが、直幹のみごとな主幹は力強く、名木にふさわしい姿です。
 シラカシの名は、その葉裏の白いことと、材質の白いことから名づけられ、カシ類の代表種で、樹皮が紫褐色になるのが特徴とされています。
 医王寺の境内にある霊樹として、樹幹の根回りには、村人の祈りの後が残っています。

医王寺の緑
 ① 寺前 医王寺
 ③ 橋本 龍弘
 医王寺の山門を入ると、杉並木の美しい景観がみられます。
 推定樹齢が約600年とみられる杉の巨木も、長い年月の間に落雷などによつて多くが失われ現在の本数になりました。そこに昭和34年などに植栽され成長した杉が今の並本を形成しています。
 同寺境内には他にシラカシ、ハリモミ、イチ∃ウ、ツバキ、サルスベリ、モクセイなど名木
や古木がたくさんあります。
 昭和60年6月福島県緑化推進委員会、福島民報社が主唱した「ふ<しまの緑百景」に「医王寺の緑」として選定されました。
                                     (斎藤 壽)

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 ここからは、弊社の撮った追加写真(2026.5.17撮影)等です。また、医王寺入口に隣接している貴船神社も追加致しました。
 また、医王寺ホームページは、こちらです。→https://www.iou-ji.or.jp/

        参道
(「福島の緑百景」の「医王寺の緑」)

        医王寺案内板

        本堂

       本堂アップ

       本堂内正面

     本堂内正面アップ

     佐藤一族位牌殿
  右側 継信公の妻 若桜 人形
  左側 忠信公の妻 楓  人形

       鯖野薬師堂

      鯖野薬師堂アップ

     佐藤基治・乙和墓碑

      佐藤継信・忠信墓碑

      乙和の椿

   シラカシ(市指定天然記念物)

      南殿の桜

     瑠璃光殿(宝物殿)

         鐘楼

貴船神社

 春の例大祭は、4月の第3日曜日です。

      貴船神社鳥居

        貴船神社

        貴船神社

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